ダイエットを始めると「できるだけ早く痩せたい!」と思う方は多いですが、急激な減量は体調不良やリバウンドを招きやすく、長続きしません。
本記事では「無理のないダイエットペース」について、数値を交えながら具体的に解説していきます。
1. ダイエットは「消費カロリー > 摂取カロリー」が基本
体重を減らすための大原則はシンプルで、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることです。
どんなに体に良い食材を食べていても、トータルでカロリーオーバーしていれば太ります。
例:
- 野菜スムージーでも砂糖が多ければ高カロリー
- ナッツは健康食品でも食べすぎれば脂質オーバー
つまり「食べ物の種類」だけでなく、「総カロリー収支」がポイントです。
上記で紹介したカロリーの基本について、より詳しくまとめた記事もあります。興味のある方はぜひこちらもご覧ください。
2. 1日240kcalのマイナスで月1kg減る計算
ダイエットのペースを考えるうえで参考になるのが、1kgの脂肪を減らすには約7,200kcalの赤字が必要という考え方です。
- 7,200 ÷ 30日 = 約240kcal
つまり、1日あたり240kcal分、消費カロリーが摂取カロリーを上回ると、1ヶ月で約1kg減る計算になります。
さらに2kg落としたければ
- 1日 240 × 2 = 480kcal のマイナス
が目安となります。
3. 240kcalはどのくらいの量?
「240kcal」と聞いてもイメージしづらいですよね。実際の食事量に換算すると…
- コンビニのおにぎり(大きめ)…約220〜250kcal
- 板チョコ1枚 … 約240〜280kcal
- バニラアイス(1カップ) … 約230〜260kcal
つまり、おにぎり1個・アイス1個を我慢するだけで1日の赤字240kcalをつくれる計算です。
無理に全体の食事を減らす必要はなく、ちょっとした工夫で赤字を作れることがわかります。
4. カロリー制限の下限は「基礎代謝」
注意点として、基礎代謝を下回るような過度なカロリー制限は絶対に避けるべきです。
基礎代謝は以下の簡単な計算式で求められます:
- 男性:基礎代謝(kcal)= 体重(kg) × 24
- 女性:基礎代謝(kcal)= 体重(kg) × 22
たとえば、体重60kgの男性であれば「60 × 24 = 1440kcal」、女性であれば「60 × 22 = 1320kcal」が基礎代謝のおおよその目安となります。
基礎代謝とは、何もしていなくても心臓を動かしたり体温を保つために消費される最低限のエネルギーのこと。
ここを下回ると、体は生命維持のために代謝を落とし、痩せにくくなるどころか以下のリスクも出てきます。
- 慢性的な疲労感
- 集中力の低下
- 月経不順やホルモンバランスの乱れ
- 筋肉量の低下
「とにかく食べないダイエット」は、体重計の数字は落ちても筋肉も減り、健康も損ないます。長期的に見るとリバウンドリスクも高まるので注意が必要です。
5. ホメオスタシス(恒常性維持機能)に注意
人間の体には ホメオスタシス(恒常性) と呼ばれる機能があります。
これは、体重や体温などを一定に保とうとする働きで、急な体重減少に対してブレーキをかけることがあります。
- 食事を極端に減らす → 体が「飢餓状態」と判断
- 消費エネルギーを減らし、脂肪を蓄えやすくなる
- 体重が落ちにくくなる(停滞期)
つまり、急激に痩せようとするほど「痩せない体」になってしまうのです。
無理のないペースで進めることが、結果的に最短でゴールに近づくコツです。
6. 無理のないダイエットペースとは?
一般的に健康的でリバウンドしにくいダイエットペースは、1ヶ月に体重の3〜5%減と言われています。
例:
- 体重60kg → 1ヶ月で1.8〜3kgが目安
- 体重70kg → 1ヶ月で2〜3.5kgが目安
この範囲であれば体への負担も少なく、ホメオスタシスによる停滞も起こりにくくなります。
「1ヶ月で10kg痩せたい!」というような短期目標は、体に大きなリスクを与えるのでおすすめできません。
7. まとめ|ダイエットは「長期戦」が基本
ここまでの内容を整理します。
- ダイエットは「消費カロリー > 摂取カロリー」が基本原則
- 1日240kcalの赤字で、1ヶ月に約1kg減る計算
- 大きなおにぎりやアイス1個が240kcalの目安
- 基礎代謝を下回る制限は危険。体調不良や代謝低下を招く
- 体にはホメオスタシスがあり、急激な減量にはブレーキがかかる
- 1ヶ月に体重の3〜5%減が無理のない健康的なペース
ダイエットは「一気に落とす」ものではなく、長期的に習慣化していくものです。
たまのカロリーオーバーは、前後で調整すれば問題ありません。完璧を求めず、無理のないペースで続けることが成功の秘訣です。
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