はじめに
ダイエットを始めると、糖質制限や脂質制限、流行のサプリメントや特別な運動法など、さまざまな情報が目に入ってきます。
しかし、どんな方法であっても 「摂取カロリー < 消費カロリー」 にならない限り、体重は減りません。
私がパーソナルトレーナーとして多くの方を指導してきた中でも、栄養に気を使っているのに体重が落ちないケースのほとんどは「単純にカロリーオーバーしている」ものでした。
つまり、痩せるための最も確実でシンプルな方法は、カロリー収支をマイナスにすること。
ここを理解していないと、いくら頑張っても成果が出ず、途中で挫折してしまう人が非常に多いのです。
カロリー収支とは?
カロリー収支とは、1日の 摂取カロリー(食べた量) と 消費カロリー(使った量) の差を指します。
- 摂取カロリー > 消費カロリー → 余った分は脂肪として蓄積される
- 摂取カロリー < 消費カロリー → 体はエネルギー不足を補うために脂肪を分解する
このシンプルな数式こそが、すべてのダイエット方法に共通する土台です。
1日の消費カロリーを計算してみよう
基礎代謝の目安(大まかでOK)
基礎代謝は、安静にしていても消費されるカロリーです。
- 男性:基礎代謝 = 体重(kg) × 24kcal
- 女性:基礎代謝 = 体重(kg) × 22kcal
👉 たとえば体重60kgの男性なら、基礎代謝は 約1,440kcal です。
活動量を加えて算出
基礎代謝に活動係数を掛けることで、1日の総消費カロリーがわかります。
- ほぼ運動しない:× 1.2
- 軽い運動(週1〜3回):× 1.4
- 中程度の運動(週3〜5回):× 1.6
- 激しい運動(週6〜7回):× 1.8
計算例
体重60kgの男性(運動は週2回程度)の場合
- 基礎代謝:60 × 24 = 1,440kcal
- 消費カロリー:1,440 × 1.4 = 約2,000kcal
👉 この人が痩せるには、摂取カロリーを 2,000kcal未満 にすれば良い、というシンプルな考え方になります。
ダイエットの落とし穴
「野菜をたくさん食べているのに痩せない」
「オートミールや鶏むね肉を食べているのに変化がない」
こういった声をよく耳にします。
ですが、体にいい食材であっても、摂取カロリーが消費カロリーを上回っていれば痩せることはありません。
むしろ「健康的な食材だから大丈夫」と安心して食べすぎ、結果的にオーバーカロリーになるケースは非常に多いです。
たまのカロリーオーバーはOK
完璧に毎日カロリーを守ろうとすると、ストレスになって長続きしません。
ダイエットは 継続 が一番大切なので、たまにカロリーオーバーする日があっても問題ありません。
その場合は、翌日以降に少し食事を抑える、運動量を増やす などで調整すれば十分です。
1日単位ではなく、1週間~1ヶ月単位でバランスを取る意識を持ちましょう。
カロリー制限しても痩せないときは?
しっかりカロリー制限をしているのに体重が落ちない場合は、次の要因を考える段階です。
- 栄養バランス(タンパク質・脂質・糖質の割合)
- ホルモンバランス
- 睡眠不足やストレス
- 筋肉量の低下
これらを調整することで、より効率的に脂肪が燃えやすい体を作ることができます。
まとめ
- ダイエットの大原則は「摂取カロリー < 消費カロリー」
- まずは自分の1日の消費カロリーを把握することが最優先
- 多少のカロリーオーバーは、前後の食事や運動で調整すれば問題なし
- カロリー制限を行っても痩せない場合にのみ、栄養やホルモンなど細かい要因を考える
つまり、ダイエット成功の第一歩は カロリー収支の理解とコントロール。
これを継続するだけで、多くの人は自然と体重が落ちていきます。
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