ホルモンバランスを守る脂質制限ダイエット!最低ラインとリバウンド防止の秘訣

ダイエット

はじめに

「脂質制限は痩せるって聞いたけど、本当に大丈夫?」
ダイエットの相談を受けると、必ず出てくる質問のひとつです。

確かに脂質を減らせば摂取カロリーを抑えやすく、体重も短期間で落ちやすい傾向があります。
ただし、やり方を間違えると代謝が落ちたり、ホルモンバランスが乱れたりして、リバウンドや体調不良につながる危険性も。

一方で、適正な脂質制限は減量に非常に効果的です。
正しい「最低ライン」を守り、コントロールすれば、健康を維持しながら効率よく脂肪を落とすことができます。

この記事では、一般のダイエット希望者に向けて、脂質制限の効果・リスク・最低ライン・控えるべき脂質・実践方法・食事例をトレーナー視点で解説します。


脂質制限の仕組み

脂質は1g=9kcalと、三大栄養素の中で最も高エネルギー。
そのため、脂質を減らすことで摂取カロリーを効率的に抑え、体重を落とす仕組みです。

👉 ただし「脂質をゼロにする=痩せる」ではありません。
脂質を極端に減らすと基礎代謝が落ちたり、ホルモンバランスが乱れたりして、かえって痩せにくい体を作ってしまいます。


脂質制限のメリット

  • カロリーを効率的にカットできる
    脂質は高カロリーなので、少し減らすだけで全体の摂取カロリーを調整しやすくなります。
  • 食生活が自然と整う
    揚げ物や菓子パンを控えることで、栄養バランスの良い食事に近づきます。
  • 血液検査の数値改善につながる
    中性脂肪やLDLコレステロールが下がり、健康診断の改善が期待できます。

👉 このように、適正な脂質制限は減量に効果的で、健康改善にもつながるのです。


脂質制限のデメリット

  • 代謝が落ち、太りやすい体質になる
    脂質は細胞膜やホルモン合成に不可欠。極端に減らすと代謝が低下します。
  • ホルモンの分泌低下
    特に女性は、脂質を40〜50g以下に落とすと女性ホルモンの生成が乱れやすく、生理不順・PMSの悪化・肌荒れ・気分の浮き沈みなどの不調が出やすくなります。
    男性でもテストステロンが減少し、筋肉量低下や疲労感につながります。
  • 脂溶性ビタミン不足
    ビタミンA・D・E・Kは脂質と一緒に吸収されるため、脂質不足は免疫力低下や骨の弱化を招きます。

👉 脂質制限をやりすぎると体調不良につながる一方、適正範囲に収めれば非常に効果的です。


脂質の最低ラインはどこ?

厚生労働省「日本人の食事摂取基準」では、総摂取カロリーに対して脂質20〜30%が望ましいとされています。

例として、1日の摂取カロリーから算出すると:

  • 1500kcal → 33〜50g
  • 1800kcal → 40〜60g
  • 2000kcal → 44〜66g

特に女性はホルモンバランス維持のために、最低でも40g前後は確保することをおすすめします。

👉 よっぽど意図がある場合や、専門家の指導を受けている場合を除き、これを下回る脂質制限は避けましょう。


控えるべき脂質

脂質には「摂るべきもの」と「控えるべきもの」があります。
減らすべきは、体脂肪や健康リスクにつながりやすい「悪い脂質」です。

控えるべき脂質の例

  • 揚げ物(から揚げ・とんかつ・フライドポテトなど)
  • スナック菓子(ポテトチップス・揚げせんべいなど)
  • 菓子パンやドーナツ(ショートニング・マーガリン入りが多い)
  • アイスクリームや生クリーム入りスイーツ
  • インスタント食品(カップ麺など)

👉 これらは「トランス脂肪酸」や「飽和脂肪酸」が多く、体脂肪がつきやすいだけでなく、血管や心臓への負担にもつながります。


良質な脂質を味方にする

脂質は「敵」ではなく「味方」。重要なのは 質のコントロール です。

良質な脂質の例

  • 魚(特にサバ・サンマ・鮭など青魚のEPA・DHA)
  • アボカド
  • ナッツ類(アーモンド・クルミなど、1日20g程度が目安)
  • オリーブオイル・亜麻仁油・ごま油

👉 ただし、良質な脂質も摂りすぎればカロリーオーバーになります。
アボカド1個は約250kcal、ナッツ一握りで100〜150kcal。「適量を守る」ことがダイエット成功の鍵です。


実践!脂質コントロールの方法

  • 揚げ物は「蒸す・焼く・茹でる」に置き換える
  • ナッツをお菓子代わりに、1日20gまで
  • 魚を週2〜3回以上取り入れる
  • 調理油は小さじ1杯程度に抑える
  • スイーツは「毎日」ではなく「ご褒美」として楽しむ

👉 減らすのは「悪い脂質(揚げ物・お菓子・加工食品)」、残すのは「良い脂質」。このメリハリが成功のコツです。


食事例(脂質20%を守る場合)

1500kcal想定(脂質33〜50g)

  • 朝食:ご飯100g、焼き鮭1切れ、味噌汁、納豆(脂質 約11g)
  • 昼食:鶏むね肉のグリル150g、サラダ+オリーブオイル小さじ1、ご飯150g(脂質 約12g)
  • 間食:アーモンド10粒(脂質 約6g)
  • 夕食:サバの塩焼き80g、野菜炒め(油小さじ1)、豆腐1/2丁、ご飯100g(脂質 約14g)
    → 合計脂質 約43g

1800kcal想定(脂質40〜60g)

  • 朝食:オートミール40g+無脂肪ヨーグルト100g+くるみ10g+ベリー類(脂質 約13g)
  • 昼食:鶏もも肉の照り焼き120g、玄米150g、ほうれん草お浸し(脂質 約15g)
  • 間食:アボカド1/2個+ゆで卵1個(脂質 約11g)
  • 夕食:ブリの照り焼き100g、サラダ(オリーブオイル小さじ1)、味噌汁、ご飯150g(脂質 約18g)
    → 合計脂質 約57g

リバウンドを防ぐ考え方

脂質を極端に減らすと基礎代謝が下がり、食事を戻した途端に体重がリバウンドします。
さらにホルモンバランスが乱れることで、脂肪をためやすく、筋肉を落としやすい体質に変化してしまいます。

結果として、リバウンド後は以前よりも痩せにくく、脂肪がつきやすい体になってしまうのです。

👉 脂質を減らすのではなく、コントロールすること。これが「リバウンドしないダイエット」の本質です。


まとめ

  • 脂質制限はやってもOK。ただし「最低ライン=総摂取カロリーの20%前後」を下回らない。
  • 脂質を40〜50g以下にすると、基礎代謝の低下に加えてホルモンバランスの乱れが起こりやすい。
  • 控えるべきは「揚げ物・お菓子・菓子パン・アイス・加工食品」などの悪い脂質。
  • 摂るべきは「魚・ナッツ・アボカド・オリーブオイル」などの良質な脂質。
  • 食事例を参考に「ゼロではなく調整」を意識する。
  • リバウンドを防ぐには、代謝とホルモンバランスを守ることが最重要。

健康的に痩せたいなら、脂質を「完全にカットする」のではなく、正しくコントロールする
これが、ダイエットを長続きさせる最大のポイントです。

👉 糖質制限に関する正しいコントロール方法についての記事はこちら

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